指定文化財区分


諸戸氏庭園ホームページ

国重要文化財 
指定文化財種別
有形文化財 
指定文化財種類
建造物 
指定文化財名称
諸戸家住宅
もろとけじゅうたく
数量
6棟 
形状
主屋・玄関及び座敷・広間・洋館・玉突場・表門 
年代
明治〜大正 
指定日
平成14年12月26日 
所有者名
公益財団法人 諸戸財団
所有者住所
太一丸18番地 
管理者名
公益財団法人 諸戸財団
解説
主屋:木造平屋一部2階建、本瓦・桟瓦・銅板葺ほか
建築面積333.88平方メートル、主体部・仏間、茶室、洋室からなる
表門:一間一戸薬医門、両側袖壁付き、本瓦葺
玄関及び座敷:木造平屋建、桟瓦葺、建築面積274.02平方メートル
広間:木造平屋建、桟瓦・銅板葺、建築面積269.43平方メートル
   附 棟札 1枚 明治24年12月28日
洋館:木造平屋建、桟瓦葺、建築面積86.93平方メートル
玉突場:木造平屋建、鉄板葺、建築面積74.16平方メートル
諸戸家住宅は、近代桑名の豪商諸戸家の基礎を一代で築いた初代諸戸清六が明治18年に屋敷地を購入して居宅兼事務所として建設し、順次整備されたものです。
重要文化財の対象は、主屋、表門、玄関及び座敷、広間、洋館、玉突場の6棟で、いずれも、明治〜大正時代に建築された邸内の主要な建造物です。
敷地の中央部南面に主屋、表門が位置し、西部に北側から広間、玄関及び座敷、洋館が連続し配され、やや離れて玉突場が建てられています。
主屋は、明治20年頃の建築とされ、木造一部2階建、寄棟(よせむね)造で、外壁は黒漆喰(しっくい)塗、南面する正面側は1階のほぼ中央を玄関、左右を太い格子窓とし、2階には虫籠(むしかご)窓を開く重厚な外観となっています。
玄関と土間廊下を境に1階の正面側を事務室、背面側を主人の居室、2階を使用人の居室としていました。
また、大正期にかけて、主屋の背後には仏間、伴松軒(ばんしょうけん)と称する茶室、東側面には繊細な意匠をもつ洋室が増築されています。
主屋の南西にある表門は、明治中期の建築とされる本瓦葺の薬医(やくい)門で、両側に袖壁が付きます。
玄関及び座敷は、木造平屋建、入母屋造、桟瓦葺で、東面の玄関には車寄が突出し、玄関脇に書院を設け、背後の西側には配膳室等が配されています。
明治中期の建築と考えられています。
広間は、棟札(むなふだ)から明治24年の上棟と判明しており、木造平屋建、入母屋造、桟瓦葺で、四周に一段下がった庇が巡っています。
内部は北側を上座として32畳の主室と24畳の次の間を配し、周囲に畳廊下・板敷の縁が廻されています。
主室・次の間は高い格(ごう)天井、大床・棚などの座敷飾りに加えて、群青地に金雲をあしらった襖や張付壁、精巧な釘隠・襖引手を用い、重厚感がある豪奢なつくりとなっています。
また、建物の床が高く、庭園に面する東縁は主室・次の間境に柱を立てるのみで、中間の柱を省略して眺望を確保しています。
洋館は広間と同時期のものと考えられ、木造平屋建、寄棟造、桟瓦葺で、御影石の高い基礎の上に建ち、外壁は下見板張です。
玉突場は、木造平屋建、切妻造、鉄板葺で、外壁は下見板張の簡素な構造となっています。
明治・大正期の地方実業家の住宅である諸戸家住宅は、居住・事務・接客の各空間が複合する近代の建築群全体がよく残り、伝統的な意匠・技法を基調とする豪奢なつくりの主屋や広間などと、新しい技法の洋館や精巧な意匠をもつ主屋洋室などが違和感なく融合して屋敷を構成しており、質の高い近代の邸宅建築として重要です。