指定文化財区分
市指定文化財 
指定文化財種別
有形文化財 
指定文化財種類
考古資料 
指定文化財名称
伝額田廃寺出土せん仏
でんぬかたはいじしゅつどせんぶつ
数量
1点
形状
土製品 縦10cm横5cm
年代
白鳳 
指定日
平成22年3月2日 
所有者名
桑名市博物館 
所有者住所
桑名市京町37番地1
管理者名
解説
本資料は、桑名市額田に所在した額田廃寺で採集された資料である。 台座の上に結跏趺座(ケッカフザ)、光背を負い、左右に脇侍を添える。左手を膝上に載せ右手は下に垂らす、降魔成道印(ゴウマジョウドウイン)を結ぶ。光背は、木葉をモチーフとする。 降魔成道印を結ぶ如来の例としては7〜8世紀を中心に南伝の影響で制作され、とくに新羅石窟庵が有名である。わが国では、山田寺跡(奈良県桜井市)出土の銅製三尊仏板にその例が見られるほか、白鶴美術館所蔵の銅製三尊仏板などが知られている。山田寺像を基準とするならば、本作は7世紀後半まで遡るかと考えられる。一部にヘラによる調整痕が見られ、型出ののち仕上げがなされたもので、一品制作としての丁寧さが見られる。 また、形状が基部に従って厚く作り、自立性に対する配慮が見られる点から、仏堂や厨子に貼り付けられた、いわゆる千仏として制作されたものではなく、念持仏であった可能性も考慮される。 全国でも珍しい降魔成道印の?仏として、その考古資料としての価値だけでなく、美術史的価値も高い、桑名市内おける仏教の文化の到来を知る貴重な資料である。