絵馬とは、奉納者が祈願する内容を絵に描くことによって、ご利益を願い寺社に奉納するものです。徳蓮寺には絵馬が、252点も奉納されており、最も古いものは、万治元(1687)年まで遡ります。特に多いのが、江戸時代の終り頃、嘉永・安政年間(1848〜1859)と、明治期になってからのものです。描かれている絵には、鯰(なまず)と鰻(うなぎ)がたくさんあり、168点にも上ります。鯰と鰻が描かれた絵馬が、なぜ徳蓮寺にこれだけあるのか、いくつか説があります。まず、鯰から連想するものといえば地震があります。徳蓮寺の境内には、安政元年(1854)の大地震の供養碑が建てられていることから、地震除けに奉納されたと考えられています。また、顔にできる痣を“なまず”とも呼ぶことか病気平癒を願ったとも言われています。
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