花崗岩、台石なし、表面右寄りに 冬牡丹千鳥よ雪のほとときす はせを 碑陰に 昭和十二年四月 小林雨月建之 本堂前広場の東南隅、池を前にして西面して建てられている。 戦災にあっているので多少損じたところもあるが、刻まれた文字は明瞭である。 台石は創建時よりなかった。 俳聖松尾芭蕉(1644〜1694)が、貞享元年(1684)野ざらし紀行の初旅の折、桑名本統寺第三世住職大谷琢恵(俳号古益)に招ぜられて一泊した折、詠んだ句で古来難句と
して有名である。 句碑は伝えによると既に江戸期のものがあったそうであるが、失われたので当地の俳人が再建を企てられ、昭和12年4月、表門内北側に塚を築いて松の木の下に建てられた。 但し戦災によって境域一帯灰燼に帰し、焼け残った句碑は現在地へ移されたものである。 句碑の揮毫は大阪の俳人野田別天楼、施主は小林雨月。
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