樹幹の大きさ地上約60cm高の幹回りは10.8m、この高さのところから南・北2幹に分かれ、この2幹の地上1.5m高の幹回りは北側に出ている幹が4.58mで、南側に出ている幹が5.85mである。 南側の幹の上方に回り4.5mぐらいの大きな瘤(こぶ)があり、瘤の西側に口径約50cmばかりのまるい大きな洞穴がある。 この大クスは、もと氏神の境内にあった神木で、毎年正月には七五縄が張られる。 伊勢湾台風で枝張りが多少変わったが、樹勢旺盛である。
この大クスは昔「六本楠」と称して、天正年間三河の武士が、この巨樹に隠れて一命を助かり、後年その巨木が枯死した時、記念のため植樹したのが現在のものという。 クスノキはクスともいわれ、本州の関東以西、四国、九州の暖地に自生する暖地性の常緑広葉高木で、本県熊野灘海岸地帯の自生の多いところでは、かつて樟材から樟脳を精製していたことがあった。 昔から神社の境内に多く愛培される。
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