諸戸家は、初代清六(1846〜1906)が桑名に移住し米穀取引を営むようになり、明治に揖斐川右岸に居を構えたと伝えられる。 現在の旧諸戸家住宅の敷地は、初代清六の敷地に隣接しており、2代目清六の新居として洋館・和館を中心として附属建物が建てられた。 洋館は、大正2年に竣工、和館は棟札により大正元年に上棟されたことがわかる。 洋館の設計はイギリス人建築家ジョサイア・コンドルが手がけた。 旧諸戸家住宅は、洋館・和館がそろって残
り、両者が直線状に接続する配置に特徴があり、東海地方西部において本格的洋館を備えた代表的邸宅として貴重である。 また、煉瓦造の大邸宅やハーフティンバーの木造住宅が中心となるコンドル後期の作品の中で、数少ない木造のビクトリア朝の住宅様式を持つものとしても価値が認められる。
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